そもそも「オルカン」と「S&P500」って何が違うの?
NISAを始めようとすると、必ずといっていいほど目にする2つのファンド名——「オルカン」と「S&P500」。
「どっちがいいんだろう?じゃあ両方買えばいいんじゃない?」
そう思ったことはありませんか?実はこれ、NISA初心者がやりがちな落とし穴のひとつです。この記事では、なぜ両方買っても分散効果が薄いのか、そして本当の分散投資とは何かを、できるだけわかりやすく解説します。
スズキこれからはじめようと思ってるひとにも
わかりやすいように解説してます
オルカン(全世界株式)とは
オルカンとは「全世界株式インデックスファンド」の通称で、代表的な商品として「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」があります。
その名のとおり、日本・アメリカ・ヨーロッパ・新興国など、世界約50か国・約3,000銘柄以上に幅広く投資できるのが特徴です。
投資先は主に以下のような地域に分散されています:
- 北米(主にアメリカ):約60%
- 欧州(イギリス・フランス・ドイツなど):約15〜20%
- アジア太平洋(日本・オーストラリアなど):約10%
- 新興国(中国・インド・ブラジルなど):約10%
「世界の経済成長まるごとに乗っかりたい」「どこが伸びるかわからないから全部に投資したい」という人向けのファンドです。特に投資初心者や、あまり時間をかけたくない人に人気があります。



所謂「ほったらかし投資」ってやつだね
S&P500とは
S&P500は、アメリカの代表的な大企業500社の株価に連動するインデックスファンドです。アップル・マイクロソフト・エヌビディア・アマゾン・メタ(旧Facebook)など、誰もが知るグローバル企業が名を連ねています。
過去のデータに基づく目安として、長期的に年平均7〜10%程度のリターンを出してきており、世界でも屈指のパフォーマンスを誇るインデックスです。なお、過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。
特に2010年代以降は、GAFAMをはじめとするテクノロジー企業の急成長により、驚異的なリターンをたたき出してきました。「アメリカの強さに賭けたい」という人に選ばれ続けているファンドです。
なぜ「両方買っても意味ない」と言われるのか
実は中身がほぼ同じ問題
ここが多くの人が見落とすポイント。
オルカンは「全世界」と名乗っていますが、実は構成比率の約60%がアメリカ株です。世界の株式市場の時価総額でアメリカが圧倒的なシェアを持っているため、インデックスファンドは自然とアメリカの割合が大きくなります。
つまり、オルカンを買った時点で、すでにポートフォリオ(保有する複数の金融資産の組み合わせ)の6割はアメリカに投資していることになります。
そこにS&P500(=100%アメリカ株)を追加で買っても、アメリカへの比率がさらに上がるだけ。「全世界+アメリカ」ではなく、「アメリカ多め+アメリカ」になってしまうんです。
アメリカ株の比率が重複している
オルカンとS&P500を半々(50%ずつ)で持った場合:
| ファンド | 保有割合 | アメリカ比率 | アメリカへの実質投資 |
|---|---|---|---|
| オルカン | 50% | 約60% | 約30% |
| S&P500 | 50% | 100% | 50% |
| 合計 | 100% | — | 約80% |
ポートフォリオ全体の約80%がアメリカ株になる計算です。
これはもはや「分散投資」ではなく、ほぼアメリカ集中投資です。リーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)のような急落時には、2本持っていても同時に大きく下落します。2本買うことで安心感は得られますが、実際のリスク分散効果はほとんどないのです。
「分散している気分」になるのが一番の落とし穴
わたし自身、最初は「オルカンもS&P500も持っておけば安心」と思っていました。でも仕組みを調べると、「あ、これほぼ一緒だったんだ」と気づいて少し肩透かしを食らった記憶があります。2本持つことで管理が複雑になるうえ、リスクの軽減効果は薄い——これが両方買うことの本質的な問題点です。
じゃあ「本当の分散投資」って何?
地域だけでなく「資産クラス」を分ける考え方
本当の分散投資とは、値動きが異なるものを組み合わせることです。株式だけを複数買っても、世界的な暴落が来たときは全部まとめて下がります。
代表的な資産クラスとその特徴:
| 資産クラス | 特徴 | 株との関係 |
|---|---|---|
| 株式 | 高リターン・高リスク | — |
| 債券 | 低リスク・安定収益 | 上がりやすい傾向(例外あり) |
| 不動産(REIT) | 家賃収入型・インフレに強い | やや独立した動き |
| 金(ゴールド) | 有事に強い・インフレヘッジ | 上がりやすい傾向 |
組み合わせ例
シンプルな長期投資ポートフォリオの一例:
- 株式(オルカンかS&P500):70%
- 債券ファンド:20%
- 金(ゴールドETFなど):10%
株が下がるとき、債券や金は上がりやすい傾向があります(ただし必ずしも逆相関とは限らず、2022年のように株・債券が同時に下落する局面もあります)。この組み合わせのほうが、オルカン+S&P500の二本持ちよりずっと「本当の分散」に近い形になります。
なお、これはあくまで一例です。年齢・投資目的・リスク許容度によって最適な比率は変わります。



個人的には管理が面倒なので
「現金+株式」のシンプルな組合せが好き
結局どちらを選べばいいの?タイプ別おすすめ
「世界まるごと任せたい」→ オルカン一本
投資に時間をかけたくない、ほったらかしにしたい、という人はオルカン一本で十分です。世界経済の成長にそのまま乗れますし、アメリカが不調でも他の地域がカバーしてくれる設計になっています。
「投資はシンプルに、生活はゆったり」を実現したい人にとって、オルカンは有力な選択肢のひとつです。
「アメリカの成長に期待」→ S&P500一本
GAFAMをはじめとするアメリカのテクノロジー企業の成長に期待したい人はS&P500。「アメリカが世界をリードし続ける」という前提に立つなら合理的な選択です。ただし、アメリカ集中になることは頭に入れておきましょう。
迷ったらオルカンでOKな理由
「どっちか選べない…」という人には、シンプルにオルカンをおすすめします。アメリカが好調なときはしっかり伸び、不調でも他の地域がカバーしてくれる設計になっているからです。最初の1本としてはいちばんバランスがよく、有力な選択肢と言えます。
スズキもNISAの最初の一本はオルカンにしました。正直、迷いすぎて疲れたので「じゃあオルカンにしよう」と決めたんですが、それで正解だったと今でも思っています。
まとめ:NISAの1本目は「シンプル」が大事
- オルカンとS&P500は中身が約60%重複している
- 両方買うとポートフォリオの約80%がアメリカ株になり、分散効果は薄い
- 本当の分散は「株+債券+金」など資産クラスを混ぜること
- 迷ったらオルカン1本がシンプルで有力な選択肢
- どちらを選ぶにせよ、長期・積立・ほったらかしが投資の基本
投資は「複雑にすればするほど賢い」わけではありません。シンプルに続けることが、長期投資で一番大事なことだと、スズキは実感しています。まずは1本、じっくり選んでみてください。
※この記事は筆者の個人的な考えをもとにした情報提供です。投資は必ずご自身で判断・自己責任でお願いします。特定の商品を推奨するものではありません。


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